ガス浸炭炉のキャリアガスを,RXガスからN2+メタノールに変更することで,設備の運用コストとCO2排出量の削減を目指します。
炉のサイズなどにより,可能かどうか,また経済性の面でメリットがあるかどうか,消防法の観点からメタノールの貯蔵が可能であるかどうかなどを事前に評価します。
メタノールはベーパライザを使い,気化させた状態で炉内に導入します(炉内へのメタノールの直接の滴注はしません)。
雰囲気は,COの変動を見ながら,CO2によりエンリッチ制御をしますので,分析計盤の新設または更新も必要となります。もちろん,CP値も演算し,表示・記録ができる仕様でご提案します。
CO/CO2/CH4などの1〜3成分の赤外線ガス分析計(NDIR)を使った炉内雰囲気ガスの分析計盤の製作を致します。
炉内雰囲気ガスの分析だけでなく,エンリッチ制御や吸熱型ガス変成炉(RXガス発生機など)のCO2制御も可能です。
また制御用の機器(コントロールモータ+バリアブルポートバルブまたはマスフローコントローラ)の設置,分析のためのガスサンプル配管,ガスサンプルポンプやフィルタなどの設置も承ります。
既設のガス分析計盤の機器の更新なども承ります。
ガス浸炭炉や焼入炉などの炉内雰囲気に最適なガス分析計をご提供致します。
CO+CO2の2成分計 または CO+CO2+CH4の3成分計のいずれかのご提供ができます。
ガス分析のレンジなどは,お客様の主な使用目的をお伺いした上で最適なものをご提案致します。
3成分計の場合,サイズが大きくなるため専用の台車も合わせてご提案します。
ポータブルガス分析計以外に,外付けのフィルタ(1次・2次),排気処理のためのフレームアレスタ,校正ガス用のレギュレータなどのご提案も差し上げます。
ガス浸炭炉(連続炉・バッチ炉),焼入炉用で利用されるジルコニアO2センサをご提供できます。
ジルコニアO2センサの精度確認方法のご提供についてはこちらから
横河電機株式会社製のデジタル指示調節計に弊社からご提供しているCP値演算ソフトウエア「CpCalc」を搭載した「/CP」オプション付のモデルです。
雰囲気ガスのCP値演算から,エンリッチのPID制御までを1台で処理します。
新設のガス浸炭炉や焼入炉に対応可能なほか,古くなった既設のCP演算器やCP演算・制御器(1台で演算とエンリッチ制御を行うもの)の更新にも対応します。
この調節計本体が持つラダープログラムの機能を活用したカスタマイズに対応出来ますので,各種警報出力,各種接点入力を更新前のCP演算器やCP演算・制御器に合わせることがこの1台で可能です。
ジルコニアO2センサからの入力端子は入力インピーダンスを10MΩに設定できますから,各社のジルコニアO2センサに対応できます。
CP値演算に使うCO分圧の値は,固定値,実測値に対応できます。
また,赤外線分析計からのCO2分圧を使ったCP値演算にも対応します。
CPの演算値は,伝送出力(DC4〜20mA)で出力できますので,CPの現在値を記録計にアナログ入力し,記録することができます(250Ωの精密抵抗が必要です)。
(CpCalcのロゴは,新和実業株式会社の登録商標です。)
鏡面冷却式露点計とガスサンプルポンプ,フィルタ,流量計,記録計(オプション)などを組み込んだ台車式露点計測システムです。
自動車部品の生産現場(特に金属熱処理の現場)で多く利用されています。
製造現場で高精度で高価な計器を安定して利用するた
めの様々な工夫を凝らしています。
新和実業株式会社は熱処理現場向けの鏡面冷却式露点計において,国内随一の納入実績があります。
静電容量式露点変換器を利用した「センサ式露点計」です。
露点計測範囲:-80℃DP〜20℃DP 精度:±2℃DP
お客様がご使用の条件とご希望によって,センサは高分子薄膜静電容量式か,酸化アルミ薄膜静電容量式のいずれかから選択します。
ガスサンプルポンプ,流量計,フィルタを標準装備するほか,露点の計測値はデジタル指示調節計に表示します。この調節計からは制御出力,警報出力,計測した露点の現在値の伝送出力(DC4〜20mA)が可能です。
警報値の設定をスイッチ切替にする機能を搭載することも可能です。
-70℃DPまでの特に低露点の高速応答を必要とする場合に力を発揮する,波長可変ダイオードレーザー吸収分光式(TDLAS)方式の露点水分計です。
露点計測範囲:-70℃DP〜+20℃DP 精度:±0.2℃DP
露点と霜点は明確に区別し,0℃以下は霜点を表示します。
また,NH3など,沸点の高いガスを含む場合の露点も正確に計測が可能です。
従って,熱処理分野では,窒化炉の炉内雰囲気の露点測定には最適で,正確な露点計測を実現します(鏡面冷却式露点計を使った場合は,炉内雰囲気ガスの沸点の計測になっています)。
プロセスガスの露点計測の用途のほか,センサ式露点変換器の精度確認用(現場での比較校正用)としてもご活用頂けます。
CRDS微量水分計
CRDSとは,キャビティーリングダウン分光法(Cavity Ring- Down Spectroscopy)の略で,CRDS微量水分計とは,このCRDSを利用した12ppb〜20ppm(モル分率)の微量水分を計測する装置です。計測値は霜点(ガス中の水蒸気が気体から直接霜になる温度)に換算できます。霜点で-100℃DP〜-55℃DPの領域を計測することができます。このCRDS微量水分計は微量水分や低露点を最も正確に計測できます。
新和実業株式会社は,神栄テクノロジー株式会社が開発したCRDS微量水分計「DewTracer mini CRDS-H2O」を低露点領域の露点計として利用し,金属材料の雰囲気熱処理炉などの雰囲気の露点計測用として新たに「低露点計測システム」を開発し,これを熱処理の現場で利用できるシステムとしてお客様にご提供いたします。
もちろん,アンモニアなどの腐食性ガスが含まれる雰囲気ガス中の露点計測にも対応します。計測原理がガス中の水蒸気圧に依存しないため,NH3など,H2Oよりも蒸気圧の高い成分が含まれるガス中の水分量(霜点)計測にも対応します。
湿度・露点測定方式の中でも、CRDSは理想的な絶対測定法であり、信頼性が高く優れた測定方式です。また,写真の「DewTracer mini CRDS-H2O」は12ppb〜20ppm(モル分率)の微量水分(絶対湿度)を計測する計器ですが,この値を霜点に変換するための物理量が既知であるため,計測値を霜点(この領域は露点とは言わないため)に換算して出力できます。
これまで,低露点領域の露点計測においては,鏡面冷却式露点計の場合でも-75℃DP付近までしか計測ができませんでした。さらに長時間の連続測定が鏡面を冷却するペルチェ素子の劣化につながるなどの問題もありました。また,センサ式では露点計測の精度,応答速度の点で妥協を余儀なくされるケースもありましたし,センサチップは2年前後の周期で取替が必要でした。
新和実業株式会社では,「DewTracer mini CRDS-H2O」を露点計として利用し,これまで不自由であった微量水分領域(-100℃〜-55℃DP以下の低露点領域)の露点計測システムを工業炉を使う金属熱処理の現場をはじめ,様々な領域にご提供してゆきます。
新和実業株式会社からご提供する場合の形態は,鏡面冷却式露点計と同様の台車式(必要なガスサンプル機器類を台車内にまとめたもの低露点計測システム)が主となりますが,「DewTracer mini CRDS-H2O」単体でのご提供も可能です。
【想定される主な用途】
メッシュベルト型連続焼結炉の冷却帯の炉内雰囲気の露点計測(特にステンレス系の材料の場合)
N2+H2雰囲気の焼入炉の雰囲気の露点計測(RXガスなどを利用しない場合の雰囲気など)
TiやTi合金の熱処理
液体窒素の管理(液体窒素中に含まれる水蒸気が凍って存在する氷に起因する窒素ガスの露点の上昇の管理)
NH3ガスや半導体プロセスで利用されるガス中のH2Oの管理
全固体電池の特に正極材を扱う製造環境に求められる微量水分の連続計測と管理
ドライルームやドライチャンバーの湿度管理
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