SFRSシリーズの御見積からご購入まで
ご注意とお願い
金属熱処理用の工業炉、焼き物の炉などを中心に旧株式会社山武製のマルチバーナーフレームモジュール(WN200A/WN210A)は日本国内のみならず全世界で長年、幅広く利用されてきましたが,2000年以降,日本国内では旧株式会社山武から供給されなくなりました。その後継製品としてAzbil株式会社からはFRS100シリーズのマルチバーナーコントロールフレームリレーが販売されています。
ところがFRS100シリーズとWN200AまたはWN210Aとは形状の点などで互換性が全く無く,WN200AまたはWN210AからFRS100シリーズへの取り替えは決して容易ではありませんでした。
通常,生産現場ではこのような機器は『壊れてから交換する』,『壊れるまでは使う』ということが多く,また『壊れるまでその重要性に気がつかない』ということも多くありました。
これまでWN200AまたはWN210AからFRS100シリーズへの交換には電気工事が必要でした。それには最低1日〜2日を要しました。しかし,特に自動車部品の熱処理工程で使われている炉の場合,設備を停止させる時間が十分に得られないケースが多く,その点で問題がありました。
そこでこれらの問題を解決すべく,新和実業株式会社ではAzbil株式会社製の現行製品であるFRS100シリーズを利用して旧製品であるWN200A/WN210Aをご使用中の弊社のお客様向けとしてWN200A/WN210A完全互換のマルチフレームモジュールボード,SFRSシリーズを開発しました。当初,弊社で製造した熱処理炉向としてこれをお客様にご提供してきましたが,現在では一般向としても販売しています。
JIS B 8415:2008(工業用燃焼炉の安全通則)は2020年3月に廃止され、新たにJIS B 8415-1〜3:2020が制定されました。
新たに制定されたJIS規格においては、ウルトラビジョンを使う場合や、フレームロッドを使う場合に関わらず、フレームリレーは適合しないとして、その内容から削除されました。
本製品はAzbil株式会社製のFRS100シリーズマルチバーナーコントロールフレームリレーを使っておりますが、フレームリレー自体がJIS B
8415-1〜3:2020に適合しなくなったため、近い将来、FRS100シリーズの生産・供給が終了する可能性があります。
新和実業株式会社で製作・販売しておりますSFRSシリーズについては、Azbil株式会社がFRS100シリーズの生産と供給を終了した時点で、お客様への販売を終了することになります。
ただし、2024年10月時点でその時期は未定で、当面、弊社製SFRSシリーズの販売継続は可能です。
まだWN200Aまたは210Aをお使いで本製品をご検討のお客様は、お早めにご注文をお願い致します。
なお、Azbil株式会社製FRS100シリーズも制御機器として寿命がありますので、必要とされるお客様は早めに交換用予備品として、FRS100シリーズの同一型番のものをご購入下さい。新和実業株式会社からもご購入頂けます。
今後新設される燃焼炉においては、弊社が販売するSFRSシリーズは使用できませんので、本製品はWN200AまたはWN210Aを使用していた燃焼設備のフレームリレー更新用としてのみお使い下さい。
その際、本製品およびFRS100シリーズは最新のJIS B 8415-1〜3:2020に適合しないことをご承知頂いた上でご購入、ご使用下さい。
外形寸法、取付ねじ穴位置、取付ねじ寸法がWN200Aと全く同じ『SFRS-4』、WN210Aと全く同じ『SFRS-2』をご用意いたしました。
機能的には、SFRS-4はWN200Aと,SFRS-2はWN210Aとの互換性を実現しています。
SFRS-4 および SFRS-2 はそれぞれ旧製品であるWN200A,WN210Aと信号線の端子の位置がほぼ同じになるように設計しております。ボードの交換時に配線工事や変更を行う必要が全くありません。
また,交換に際して,特別な専門知識は不要です(最低限、感電防止などについての知識は必要)。現場の保全担当の方により容易に行って頂くことができます。
交換の所要時間は1台当たり約1時間(点火テストを含む)です。長時間生産を止めることがありません。
交換することによるメリット
採用しているフレームリレー,FRSシリーズにはフレームメーターを搭載していますので、燃焼状態がランプで容易に確認でき、燃焼調整が容易にできます。
WN200A・WN210Aでは専用プラグインリレーが使われていましたが,本製品ではこれを容易に入手ができるオムロン株式会社製の汎用のリレーに置き換えています。
最低限の生産の停止でできることや,工事費用がほとんどかからないことまで含めて考えると,非常に安価に交換ができます。
写真1:既設のWN200A(旧株式会社山武製)をSFRS-4に交換したあとの写真
外形寸法が全く同じであり、端子の一もほぼ同じなので、交換が容易にできます。
フレーム監視自体は、Azbil株式会社製のFRS100シリーズを使っています。
(写真をクリックすると別ウインドウで拡大写真が表示されます)
(弊社製連続焼鈍炉の場合・フレームロッド方式)
写真2:上記写真1の一つだけを拡大したもの写真
従来使っていたそのままの電線が利用できています。
つまり、制御盤の電源を切ってあれば、容易に取り替えができます。
(写真をクリックすると別ウインドウで拡大写真が表示されます)
写真3:他社製バッチ型浸炭炉での交換事例(交換前)
他社製バッチ型浸炭炉(オールケース炉)での交換事例です。
上のWN200Aにはウルトラビジョン用の増幅器が、
下のWN210Aにはフレームロッド用の増幅器が取り付けられています。
写真5:他社製バッチ型浸炭炉での交換事例(交換後)
SFRS-2を利用してバーナー1本のみのフレーム監視に対応した例
写真6:旧製品であるWN200A
2000年に既に供給が止まっており、現在では故障時の代替品も入手できません。
故障してからの交換では生産に大きな影響が出ます。
燃焼安全機器であることを考慮すれば、早めに最新の火炎監視機器への置き換え図ることが必要です。
交換前の準備
まず、制御盤の操作電源を切ります。
特にAC電源のラインに電圧が印加されていないかを検電器で確認してください。
安全確認ができたらWN200A/WN210A端子番号とそこに接続される線の線番のメモをとります。
ここでメモを誤ると、あとでうまく着火ができませんので気をつけてください。
次にWN200A/WN210Aに接続されている線を取り外します。
つづいて、WN200A/WN210Aを固定しているビス4個のうち、上の二つを取り外し、下の二つを弛めます。
フレームモジュールボードの交換
WN200A/WN210Aを取り外し、SFRS-2/SFRS-4を取り付け、取り外したビスと弛めたビスを締め込んで確実に盤内に固定します。
続いて、取り外した線を先にとったメモに従って取り付けます。WN200A/WN210Aの端子番号は、SFRS-2/SFRS-4の端子番号と同じです(Gについては各バーナー毎で端子がありますから、WN200A/WN210Aからの交換の場合、ジャンパ線を取り付けてG1〜G2(G4)をショートさせます)。
端子のネジに緩みが無いことを確認して下さい。
最後に端子カバーを取り付けます。
交換作業完了
交換作業が完了。
この時点で、SFRS-4が3台、SFRS-2が2台の交換で、作業開始からここまでで1時間の所要時間でした。
(電気工事専門の方の作業による場合)
続いて、パイロットバーナーの点火テストをします。フレームメータが利用出来るため通常、すぐにバーナーの点火確認が終わるはずです。
【バーナー 1〜2本用】 | ||
型式 | SFRS-2-AC100V (AC100V 50/60Hz用) SFRS-2-AC200V (AC200V 50/60Hz用) |
|
仕様 | フレームロッド用およびウルトラビジョン用をご用意できます ので御見積ご依頼時に詳細をお知らせ下さい。 フレームメータと雷サージキラーを標準で搭載しています。 |
|
外形寸法 | 140mm(W)×290mm(H)×135mm(D) 取付ねじ穴などWN210Aと同じです。 |
|
【バーナー 1〜4本用】 | ||
型式 | SFRS-4-AC100V (AC100V 50/60Hz用) SFRS-4-AC200V (AC200V 50/60Hz用) |
|
仕様 | フレームロッド用およびウルトラビジョン用をご用意できます ので御見積ご依頼時に詳細をお知らせ下さい。 フレームメータと雷サージキラーを標準で搭載しています。 |
|
外形寸法 | 240mm(W)×290mm(H)×135mm(D) 取付ねじ穴などWN200Aと同じです。 |
従来のWN200A/210Aでは、Gの端子が一つだけでしたが、SFRS-2では2カ所、SFRS-4では4カ所あります。
WN200A/210Aを置き換える場合には、従来のGの端子に接続されていた線を、G1〜G4端子に分けて接続しなければなりません。つまり、ジャンパー線の取付が必要になります。
FRS100につながるG端子をFRS100の数だけ独立に設けており、その点だけがWN200A/210Aと異なります。
SFRS-2/SFRS-4のd結線図はこちら