CpCalc®
CpCalc(シーピーカルク)とは,ガス浸炭炉や焼入炉の雰囲気のカーボンポテンシャルを演算するためのソフトウエアとそのノウハウを活かした新和実業株式会社の製品群の総称です。
ガス浸炭焼入れ熱処理において,処理条件の検討や確認,CP値制御で使われるジルコニアO2センサの精度確認などに広く利用され,海外を含む多くの熱処理現場で活用されています。
最新のMicrosoft Excel版のCP値演算ソフトウエアでは,炭素濃度プロファイルを求めるソフトウエアであるCarbonProfilerと共にご提供しています。CarbonProfilerでは,炭素濃度0.4%の深さがJISに規定されている有効浸炭深さ(Hv550)にほぼ一致します。
CpCalcの計算式は横河電機株式会社製デジタル指示調節計・UT75AやGX10,GX20などのペーパーレスレコーダなどにも搭載されており,ガス浸炭炉や焼入炉の雰囲気制御(エンリッチ制御)にもご利用頂くことができます。
CpCalc(シーピーカルク)は新和実業株式会社の登録商標です。
CpCalc Microsoft Excel版はご希望の方に電子メールに添付してお送りしております。ご希望の方はこのリンクをクリックして電子メールにて新和実業株式会社までご連絡下さい。なお,無償にてご提供しておりますが,ご利用頂く方にはユーザー登録をお願いしておりますのでご所属(会社名・学校名,部署名等),ご連絡先を合わせてお知らせください。

CpCalc(Microsoft Excel版)(右)とCarbonProfiler(左)

(本図は平成16年(2004年)5月の日本熱処理技術協会講演大会での講演内容の一部を修正したものです)
CpCalc®を使うとガス浸炭炉の雰囲気ついて以下の計算ができます...
炉温(℃)・
CO (Vol%)・
CO2 (vol%) ⇒ CP (mass%)
炉温(℃)・CO (Vol%)・EMF (mV) ⇒ CP (mass%)
炉温(℃)・CO2 (Vol%)・CP (mass%) ⇒ CO (vol%)
炉温(℃)・CO (Vol%)・CP (mass%) ⇒ CO2 (vol%)
炉温(℃)・CO (Vol%)・CP (mass%) ⇒ EMF (mV) (ジルコニアO2センサ精度確認用の逆演算機能)
炉温(℃)・CO (Vol%)・炉内水素分圧 (vol%)・露点 (℃) ⇒ CP (mass%)
炉温(℃)・CO (Vol%)・炉内水素分圧 (vol%)・CP (mass%) ⇒ 露点 (℃)
水蒸気分圧 (vol%) ⇒ 露点 (℃) (@1atmにおける水蒸気分圧と露点の相互演算)
露点 (℃) ⇒ 水蒸気分圧 (vol%) (@1atmにおける水蒸気分圧と露点の相互演算)
CpCalc®を使ったジルコニアO2センサの精度管理の導入事例
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導入の経緯と結果
バッチ型ガス浸炭炉のプロパンガスによるエンリッチ制御に使用しているジルコニアO2センサの精度確認方法について明確にすることを、処理品の納入先(大手自動車部品メーカー、大手自動車メーカー)から求められた。
これに対し、ポータブル赤外線ガス分析計とCpCalcを利用したジルコニアO2センサの精度確認方法と、ポータブル赤外線ガス分析計を活用した炉内雰囲気の確認手段について、新和実業株式会社から技術指導を受けた上で導入した。
ガス分析の記録とジルコニアO2センサをチェックしたときの記録は時系列で保存するようにした。
その結果、納入先である大手自動車部品メーカー、大手自動車メーカーからはジルコニアO2センサの管理について問題は無いというご評価を頂いた。
導入から4年以上経過したが、実際に浸炭深さ、表面硬度などにも問題は出ていない。
また、納入先からは「CPコイル」によるこれまでの方法に代わる、新たなジルコニアO2センサの精度確認手段をいち早く導入しているとして高く評価されている。
今後に向けて
ポータブル赤外線ガス分析計の数を増やし、CpCalcによるジルコニアO2センサの確認と炉内雰囲気のチェックの体勢をさらに充実させて行きたいとのことで検討中。

デジタル指示調節計 UT75A /CPオプション付モデル
【CpCalcの計算式は横河電機株式会社製の次の計器にも搭載されています】
デジタル指示調節計 UT75A の「/CPオプション」付モデル
ペーパーレスレコーダ SMARTDAC+ GX10・GX20・GP10・GP20・GM10・GA10の「 /MTオプション」
(演算機能)付モデル
CpCalcの演算式を用いて,1台の計器でCP値の演算,制御出力(PID制御)が可能
CP演算とコントロールモータなどへの制御出力(エンリッチ制御・PID制御)が1台のUT75Aだけで
可能。
各社のジルコニアO2センサに対応(UT75Aの/CPオプション付モデルは入力インピーダンス10MΩ対応の
補助アナログ入力端子を装備)。
ジルコニアO2センサの起電力、CO分圧,炉温の入力することでCP値を演算。
CO分圧(vol%)は固定値を使うことも,赤外線分析計による実測値を使うことも可能。
炉温(℃),CO分圧(vol%),CO2分圧(vol%)からもCP値の演算が可能。
UT75Aの場合,コントロールモータの制御が可能なモデル(位置比例出力型)も選択が可能。
新和実業株式会社からご購入される場合には,CP演算のラダープログラムのほか,製造が終了した他社製
演算器等との機能の互換を実現するためのラダープログラムの設定を行った上で出荷。

詳細はこちらから。
