露点計測システム・露点計選定ガイド

露点計測システムの選定ガイドSYSTEM SELECTION GUIDE

用途別の露点計測システム選定ガイド

弊社にお問い合わせ頂いた場合

	お客様がどのような気体の露点（または湿度）を計測するかとその目的をお知らせ下さい。
	お客様の目的に合った計測方法と露点計測範囲、それに合った計測方法を検討します。弊社は、様々な方式のセンサ・露点計を、メーカーを問わず取り扱うことができますので、お客様のご希望に合わせて最適なシステムをご提案できます。また、特に熱処理用途の場合、経験からだけでなく、処理する材料や、温度、雰囲気ガスの組成から必要な露点計測範囲を計算で求め、最適な露点計測方法を検討し、お客様にご提案致します。
	お客様にいくつかの計測方法とそのメリット，デメリットをご案内します。
	ご提案がお客様のニーズやご予算に合致しているならば、正式に仕様書と御見積を提出致します。
	必要に応じて、弊社担当者がお客様の現場にて露点計測を実施して確認します。

主な用途別の露点計の選定

用途（計測する対象）	対応する露点計	露点計の計測範囲（周囲温度が25℃の場合）
ガス浸炭炉・焼入炉吸熱型ガス変成炉（RXガス発生機）発熱型ガス変成炉（DXガス発生機）ガス窒化炉（注１）炉内に加湿している炉（酸化炉等）ろう付け炉の炉内雰囲気（DXガスベース）	鏡面冷却式露点計（一般仕様）	-40℃DP～25℃DP
連続焼結炉（ステンレス系以外）	鏡面冷却式露点計（一般仕様）静電容量式露点変換器（注２）	【鏡面冷却式】 -40℃DP～25℃DP 【静電容量式】 -80℃FP～20℃DP
連続焼結炉（ステンレス系）アンモニアガス変成炉（AXガス発生機）ろう付け炉（N2ベース）無酸化加熱炉（N2ベース）	鏡面冷却式露点計（低露点仕様）静電容量式露点変換器（注２）	【鏡面冷却式】 -65℃FP～25℃DP（空冷）【静電容量式】 -80℃FP～20℃DP
ガス窒化炉	TDLAS露点水分計（注３）	-70℃FP～20℃DP
計装用エア（除湿後）窒素ガス中の水蒸気の計測	鏡面冷却式露点計（低露点仕様）静電容量式露点変換器 TDLAS露点水分計（注２）	【鏡面冷却式】 -65℃FP～25℃DP（空冷）【静電容量式】 -80℃FP～20℃DP 【TDLAS】 -70℃FP～20℃DP
大気（圧縮空気を含む）	鏡面冷却式露点計（一般仕様）静電容量式露点変換器 TDLAS露点水分計（注２）	【鏡面冷却式】 -40℃DP～25℃DP 【静電容量式】 -80℃FP～20℃DP 【TDLAS】 -70℃FP～20℃DP
金属空気電池や全固体電池の正極材料の製造プロセスの雰囲気の露点計測	CRDS微量水分計	霜点換算で-55℃FP以下
露点換算で-90℃DP以下の水分計測		霜点換算で-90℃FP以下
半導体製造プロセスで使用する原料ガスに含有する微量水分の計測		ppbオーダでの微量水分計測（霜点換算で-90℃FP以下）

（注１）窒化炉の雰囲気を鏡面冷却式露点計で計測した場合は，露点ではなくHN3+H2Oの沸点の計測になります。
　　　　-33℃以上の値しか計測されませんが，この値で窒化炉の雰囲気管理が一般的に行われています。
　　　　（窒化炉の雰囲気の水蒸気圧に依存した露点計測は原理上，不可能です）
（注２）露点計の選定は，お客様が求める計測の露点計測範囲，精度（再現性），露点と霜点の厳密な見分けが必要
　　　　かどうかにより変わります。また，ご予算によっても変わります。
（注３）ガス窒化炉の雰囲気について，HN3+H2Oの沸点ではなく，雰囲気中の露点計測を行いたい場合にはこちら
　　　　の選択となります。

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露点計測システムの製作例（鏡面冷却式の台車式）

金属熱処理の現場を中心に活躍している台車式露点計測システム（低露点仕様・空冷仕様）

露点計測システムを構築した場合に露点計・露点センサ以外に搭載可能な機器
ガスサンプルポンプ
ガスサンプルフィルタ（露点計測範囲とガスの種類により最適なものを選定）
面積式ガス流量計（ニードルバルブ付き）
ホットホースおよびホットホース温度制御回路（鏡面冷却式ヒータ内蔵または高露点仕様のみ）
ガスクーラホットホース・ホットホース温度制御回路・電子冷却式ガスクーラー・ドレンポット（高露点仕様のみ）
流量調整用精密バルブ（圧力の高いガスの場合のみ）
相対湿度計測用温度センサ追加
絶対湿度計測用圧力センサ追加
酸素センサ追加（ガスサンプルの系統への追加）
プロトン伝導型固体電解質による水素センサ（濃度計）の追加
水素および可燃性ガスの大気中への排気のためのフレームアレスタの追加
ペーパーレス記録計・データロガー追加（メーカー・機種はご指定頂けます）

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静電容量式（インピーダンス式）露点変換器を使ったシステムの製作仕様例

静電容量式（インピーダンス式）露点変換器を使った露点計測システム製作例（-80～20℃DP）

静電容量式露点変換器本体
工業炉の雰囲気の露点計測用に高い実績のある数種類の露点変換器から弊社にて選定するほか，お客様のご希望の露点変換器を選択できます。

静電容量式露点変換器以外に搭載可能な機器
ガスサンプルポンプ
ガスサンプルフィルタ（露点計測範囲とガスの種類により最適なものを選定）
面積式ガス流量計（ニードルバルブ付き）
流量調整用精密バルブ（圧力の高いガスの場合のみ）
指示計，指示警報計または指示調節計のいずれか（指示調節計の場合は，ガス流量などの制御も可能）

既設の制御盤に組み込むことも可能
お客様のご希望により，既設の制御盤，分析計盤に露点変換器のほか，機器類を組み込むことも可能です（既設の制御盤などの空きスペースにもよりますのでご相談ください）。

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特殊仕様で製作した事例

低露点仕様（水冷仕様）

-75℃DPの露点計測をするため，水冷仕様とし，さらに狭い場所に設置した事例です。

露点計測範囲は-75℃DP～25℃DP（周囲温度が25℃の場合）

複数の系統からのガスの導入とその切替が可能です。設備に導入する高圧の窒素ガスを減圧した上で露点計測を行うことのできる仕様です。
低圧のガスの露点計測をするためのガスサンプルポンプも装備しています。

写真のものは，記録計としてグラフテック社製のGL-220を装備しています。

供給する冷却水は20℃前後でした。

標準仕様（積層表示灯・燃焼筒付）

計測した露点に応じてアラームの鳴動と積層表示灯（３色）を点灯させるようにしたシステムです。台車内にはパトライト点灯はオプションによる対応です。
NADCAP認証対応のシステムとして製作したものです（焼入炉用）。
露点計測範囲は-40℃DP～25℃DP（周囲温度が25℃の場合）です。
　
ガスサンプルフィルタ，配管等はガス浸炭炉の露点計測用として実績のあるものを選定しています。
また，露点計測後のCOを含むガスを安全に燃焼させるための燃焼筒（フレームアレスタ付）を装備しています。